ほぼ隔週刊詩 バックナンバー/#1~#89

隔週のほぼ水曜日にお届け/作品集からご紹介しています(一部 書き下ろし)

(#89/1020)  

 

あなたのうそを知っている。

あなたの不義理も知っている。

それでも私は構わない。

恋の記憶は消えぬから。

 

(『サクラごはん』より)

 

(#88/1006)  

 

あんな親になるもんか。

あんな家にするもんか。

そんな親にいつか似て。

そんな家に住んでいる。

 

(『サクラごはん』より)

(#87/0922)

 

奇跡を待つ身に 声 降り注ぐ

 

薄絹の先でちらつく灰色は 覚悟を試す鏡なり

行く手にそびえる岩肌の 向こうの景色に影は無し

ただ目の前の細道を 見つめて進むばかりなり

遠回りにも花は咲き いつの間にやら峠越え

 

天には仰ぐ空あれば 地には還る土があり

色なき風に色を見て 流れる雲に無常を知る

ただ目の前の細道に 命の行方を確かめる

 

薄絹の 先でちらつく灰色は 覚悟を試す鏡なり 

先に待つ色染めるのは 歩くわが身の祈りのみ

 

奇跡を待つ身に 声 降り注ぐ 

 

 (『宇宙詩』より)

(#86/0908)

 

ある時 私は水を生きていた

いのちを育み 大地を潤し

姿を変えながら 天地を往来し

時には 荒れ狂った

怒りのためではなく 

いたずらな気晴らしではなく 

ただ変化のために 

留まることのない エネルギーの軌跡として 

罪や罰ではなく 

轍を残す そのために

  

多くのいのちを奪い 

それらが生きる世界を乱し  

やがて私は鎮まった  

 

そのようにして私は 

熱となり 有機物となり 

あらゆるものに宿った   

 

私はすべてであり 

すべてが私だった 

 

(『宇宙詩』より)

(#85/0826)

 

ある時 私は光を生きていた

私は暗闇のなかで生まれ

時空を超え 走り続けた  

闇を照らし 目覚めを呼び

その軌道は 創造の旅となり 

いくつもの奇跡を起こし  

新たな光たちを生み 

唯一無二の いのちとなった 

光の記憶を宿した 

完全なるいのち  

自ら輝き すべてを照らす  

唯一無二の 光の源

 

(『宇宙詩』より)

(#84/0811)  

『ガイトウインタビュー』

 

ちょっと。コレ。まずいんだよな。顔はさ。

勘弁してよ。いや、マジで。コメントなんてできないよ。

こんなの向けられてんじゃ。そんな間抜けに見える? 

そうそう、音声だけね。で、なんだっけ? 

どうして走ってるのかって? 追われてるからでしょ。

何に? 全部だよ。全部。朝のオーブンにおはよう日本、

東京メトロにヤクルトおばさんにランチにラインに勤態

に出欠メールに学費の支払いに図書館の返却期限に

ボルダリングの予約時間に食後の胃腸薬にポイントカー

ドにいいねにリツイートにクリーニング屋のサービスデ

にデッキの録画の残り時間に夢のなかでもよおすオシッコ

にボランティアの申請に老後の年金不安にいつどうなるか

も分からない死に様までエトセトラエトセトラ。

今どき、追われてないひとなんているの? 

バッハのシャコンヌ鳴りっぱなしだよ。

からだじゅうをさ、フナムシが這いずり回ってるんだから。

いや、これホント。オタクだって追われてんでしょ?

一億総鮪社会だもんね。休日だって関係ないし。

チェックインに飯の時間、家族ぶろの予約に翌日の送迎バス、

行くとこ見るもの片っ端からググってたどってご苦労さんってね。

おぎゃあと生まれたそのあとは追われ続けて火葬場で炭素に還る

その日まで我を忘れてまっしぐらってわけでしょう。

いや、待てよ。いやいやいやいや、ちょい待った。

それなら今でも構わないな。

何が? 

いや、火葬場に行くのがね。今でもいいんじゃないかって。

どこで何をしてたって追われてるんじゃやりきれないし逃げきれないし。

やめた。 走るのやめた。つかまろう。追ってくるものにつかまろう。

あれ? 

変じゃない?

様子が違うね。いやいやいやいや。やっぱり変だ。

後ろを見ても、誰もいないじゃん。ほら。見てよ。

追っ手が見当たらないよ。せっかく覚悟したってのに。

なるほどね。なるほどなるほど。払っちゃったんだ。

何を?

全部だよ。全部。

 

(『ガイトウインタビュー』より)

(#83/0728)  

 

何処から来たのでしょうか

はるか時空をさかのぼれば

教えるまでもないことと

天上で瞬く星明かりは微笑む

 

何処へ行くのでしょうか

肉体はやがて朽ち

心は変化を繰り返す

つまりは 変わらぬ魂を知れば

おそれるまでもないことと

天上を巡る月明かりは慰める

 

地上の目を超え 鳥の目を超え

天上の目を持つならば 

あらゆるものは常ならず

広大無辺 未知の世界の扉が開く

答えは いつも 見えぬものなり

 

(『宇宙詩』より)

(#82/0714)  

 

疲れるほどに、歩いただろうか。

月の光は答えてくれぬ。

絶望するほど、愛しただろうか。

森の風は歌ってくれぬ。

嘆くほどに、生きただろうか。

日の光は叱ってくれぬ。

明日に何があるだろう。

思えば何もないだろう。

明日も何もないだろう。

知れば全てがあるだろう。

 

(『過去鏡~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

(#81/0630)  

 

『記念日』

 

いつの日か 今日を思う時

特別な日だったと 気づくでしょう

いつの日か 今日を語る時

特別な日だったと なつかしむでしょう

 

いつものように 体をならし

いつものように 腕を伸ばし

いつものように 足をけり

 

いつの日か

わたしはあなたに伝えるでしょう

毎日が記念日でしたと

 

(『今を泳ぐ。今を生きる。』より)

(#80/0616)  

 

あなたは知らない。

私のなかにいる鳥を。

あなたは知らない。

私のなかの秘密の部屋を。

それでもいいでしょ、

残りは全部あげるから。

 

(『サクラごはん』より)

 

 

(#79/0602)  

 

今日は呆けて朝寝坊

ジタバタしても始まらぬ

午後は昼からほろ酔い気分

アタフタしても変えられぬ

お天道さんにいただいた

仕切り直しのいっときだもの

スマホの代わりに空を見て

変わらぬ青に呼びかける

お天道さんは見てるかな

こんな自分を見てるかな

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気だけれど

今日は怠けて朝寝坊

お天道さんへ見ていてね

こんな自分を見ていてね

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気ですから

今日は大の字 朝寝坊

午後は昼からほろ酔い気分

 

 (『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

(#78/0519)  

 

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

喜びは、七色の光を放ち、

降り注ぐばかりで捉えることはできない。

怒りは、煮えたぎり、

時とともに黒ずみ底へと沈み長く留まる。

哀しみは、粉雪のごとく、

静かに降り積もり組成の内に入り込む。

楽しみは、落ち着きなく、

すぐに溢れ出て溜め置くことはできない。

穢れた羽虫が、悪戯に、小穴を開けて去ってゆく。

するとそこからすべてが漏れた。

とめどなく流れ出る、失うばかりの心地は、

絶望の淀みに似て、光と色を奪い去らんとする。

しかし何も留まらず溜まらず、故に淀みも生じない。

喜怒哀楽は風のごとく通り過ぎてゆく。

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

 

(『過去鏡~私を目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

(#77/0421)  

   

何者かと問われ、私ですと答えたのです。

私とはと問われ、罪人ですと答えたのです。

その罪はと問われ、人の罪ですと答えたのです。

人の罪とはと問われ、産まれた罪ですと答えたのです。

償いはと問われ、生きることですと答えたのです。

生きるとはと問われ、死ぬことですと答えたのです。

 

(『過去鏡~私を目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

(#76/0324)  

   

「ありがとうリレー」

 

しっかりおよげ

歯をくいしばれ

自分に負けるな

 

ハラハラしながら

そういっている

わかいあなたに

そういっている

 

これからだよ

いまからだよ

こわいものなどあるもんか

できぬことなどあるもんか

 

ドキドキしながら

そういっている

あいしたむすめに

そういっている

 

ほんとはね

ひとことでいいんだ

ありがとうって

つたわれば

 

(『今を泳ぐ。今を生きる。』より)

(#75/0310)東京大空襲の日に寄せて/再掲(#11)  

   

「風が伝える彼の歌」

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

あの日の丘で手に触れた

名も無き花の美しさ

 

この先に続く世界には

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先に続く暮らしには

そんな悲しい繰り返し

どうかありませんように

 

風はどうしてこんなにも

やさしく頬をなでるのか

あの日の丘で手を振った

かよわき君の愛おしさ

 

この先に生きる人たちよ

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先をつくる人たちよ

そんな愚かな繰り返し

どうか起こしませんように 

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

 

(『いきるのうた』より)

(#74/0224)  

   

「みていてね」

 

何気ない 朝昼晩に

毎日の色が 見過ごされていく

 

何もない 月水金に

交わす言葉が 流されていく

 

あなたを 忘れない

その思いが 私を動かすから

 

あなたを 忘れない

その誓いが 私を照らすから

 

その日に向かって

来る日に向かって

 

私は 歩き続けている

 

だから お願い みていてね

だから お願い まっていてね

 

(『いきるのうた』より)

(#73/0210)  

   

散歩道にもドラマはあります

光と陰が教えてくれます

美はすぐそばにあると

目の前を過ぎるこの一瞬に

 

追いかける足を止めて

少しの時間だけ

空を見上げてみませんか

あなたに呼びかける空を

 

(書き下ろし)

(#72/0126)  

   

「それでもやっぱり恋をする」

 

それでも僕は恋をする

卒業式の帰り道みたいに

行き場がなくて切なくて

走っても 走っても

涙は乾きを知らなくて

大人になんか なりたくないと

遠ざけたはずの あの歌を

不意に口ずさんでみたりして

僕はやっぱり恋をする 

 

それでも私は恋をする

席替え後の登校日みたいに

手に負えなくて寂しくて

叫んでも 叫んでも

声は少しも届かなくて

大人になれば 忘れられると

遠ざけたはずの あの歌を

不意に口ずさんでみたりして

私はやっぱり恋をする

 

遠ざけたはずの あの歌を  

今も口ずさんでみたりして  

人はやっぱり恋をする  

今日もどこかで恋をする

 

(『ワクチン・ポエム』より)

(#71/0112)  

   

喜びも悲しみも

本当は外に出たがっている

閉じ込めず感じたままを

そっと口に出してみる

 

カゴの扉をわずかに開けて

飼い馴らされて怯えたままの

羽を虚空に広げてみる

 

傷口から滴る体液をそのままに

不安を受け入れ喜びに逆らわず

思うがままに羽ばたけば

やがて光がその身を照らす

 

そのままで

あるままで

確かめるのだ

光の先に待つものを

 

(『過去鏡』~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~より)

(#70/1229)  

   

『出番』

 

いつかが今になり

向風が追風になる

加速した時間が

迷いの霧を晴らし

物語の幕は上がる

 

(書き下ろし)

(#69/1217)  

   

まず許し

できたら手放し

ついには越える

捨てるのではなく

越えるのです

自由という名の翼のチカラで

無理解などにめげないで

孤独さえも味方につけて

 

(『世界に一つのあなたへの詩』より)

(#68/1202)  

   

男はせっせと精出して、わが子のために働きました。

ある日、その子はあっけなく、車に引かれて死にました。

男は涙が枯れた後、妻の手を取り働きました。

ある日、妻は病に倒れ、そのまま息を引き取りました。

男は心が折れたまま、老母を支えて働きました。

ある日、老母は杖だけ残し、橋から川に身を投げました。

男はそれでも気づかずに、天を仰いで叫びます。

私がなにをしたのでしょうか。

すると一羽のヒヨドリが、男の肩に舞い降りて、

小さくピヨと鳴いたのです。

男はわずかな米粒を、肩の小鳥に差し出しました。

すると男の頭に登り、続けてピヨピヨ鳴いたのです。

見上げれば彼方まで、いつもと少しも変わらない

が続いておりました。

 

(『過去鏡』~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~より)

(#67/1117)  

   

走りなさいという者がいて。

休みなさいという者がいる。

愛しなさいという者がいて。

忘れなさいという者がいる。

それは罪だという者がいて。

これが是だという者がいる。

振り子は揺れて生きていて。

振り子はそれでも楽しくて。

 

骨身を削って右左。

命を蹴散らし右左。

他人の為だという者がいて。

自分の為だという者がいる。

振り子は止まることできず。

振り子は悩み苦しみもがき。

 

血を吐きながら右左。

命を投げ遣り右左。

 

ようやく止まったその時は。

振り子は振り子でなくなって。

ただのおもちゃの成れの果て。

見向きもされぬ木切れの兵。

 

(『過去鏡』~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~より)

(#66/1104)  

   

標識が見えるかな

茂みに隠れているけれど

君の道はあっちだぜ

ほかの人とは違うんだ

 

標識が見えるかな

少し色あせているけれど

君の道はあっちだぜ

その先で開けているんだ  

 

君のための道なのに

誰かの足跡ばかり探して

 

君のための夢なのに

誰かの物語ばかり読んでいる

 

君の道はあっちだぜ

その先で開けているんだ

 

(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

(#65/1022)  

   

捨ててしまおう

誰もが欲しがるものなどは

歌ってしまおう

悲しみばかりを呼ぶものは

陽はまた昇り風が起き

散った花とて蕾を付ける

耳をすまそう

目を凝らそう

森の声

鳥の影

光の雨を感じたら

体に変化が起きるとき

命の新芽が伸びるとき

高く 高く 宙をめざして

 

(『神記憶』~私を受け止め明日へと導く風と雲と空の道~より)

(#64/1007)  

   

一つあっても二つが欲しい。

二つは不安で三つが欲しい。

三つが叶えば四つが欲しい。

四つを見たら五つが欲しい。

五つを知れば六つが欲しい。

六つに続きの七つも欲しい。

七つは足らず八つが欲しい。

八つ越したら九つ欲しい。

九つ揃えば十欲しい。

十を抱えて零になる。

 

(『過去鏡』~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~より)

(#63/0922)  

 

『次、行ってみよー!』  

 

常識なんて蹴飛ばそう

義理人情もほどほどに 

いのちあってのモノダネだ 

次、行ってみよー!  

 

ごめんなさいと頭を下げて 

お天道様を見上げよう 

今があってのモノダネだ 

次、行ってみよー!     

 

背負えなければ投げ出そう 

弱音泣き言大歓迎  

こころあってのモノダネだ

次、行ってみよー!

 

生きて生きて生き延びて   

いのちのバトンをつなぐのだ 

 

泣いて泣いて笑い飛ばして  

今日の奇跡をつなぐのだ  

 

次、行ってみよー!

 

(『ココロミ絵手紙』より)

(#62/0909)

 

誰にもいいたくない。

誰にも知られたくない。

めんどうくさいもの。

ほんとのことなんて。

 

(『サクラごはん』より)

(#61/0826)

 

『私は今 ここにいる』

 

私は今 ここにいる

抱えた荷物も そのままに

悔しさに泣いた日も過ぎて

 

私は今 ここにいる

わずかな自信を追い風に

苛立ちさえもねじ伏せて

 

変わる世界を目の前に

告白さえも許されず

ただ微笑みを浮かべている

そうして自分を支えている 

 

私は今 ここにいる

深い孤独も そのままに

わが身を責める日を重ね

 

変わらぬ世界に失望し

向き合う勇気も捨てかけて

ただ微笑みを浮かべている

そうして自分を支えている

 

私は どこに 向かうのか

私は なにを 探しているのか

 

わからないまま 過ごしている

時間ばかりが 過ぎて行く

 

私は今 ここにいる

 

(『いきるのうた』より)

(#60/0729)

 

向かい風は

進む力を鍛えてくれる

見えぬ不安は

笑う勇気を起こしてくれる

 

ただ 受け止めて

寄り添って

 

そんな時間を知ったなら

比べなくても良いのだと

空の応えが届くはず

 

(『世界に一つのあなたへの詩』より)

(#59/0715)

 

帰ろうと あの日の私が 

呼んでいる 空に夕焼け

ふりかえることはできても

戻れない 今を生きているから

 

生まれ変わって いつかまた

めぐり逢えたら そのときに

ふれあった日々の記憶を

新しい色で 染めましょう

 

 

教えたい あの日の私に 

伝えたい 今日の夕焼け

夢を見て過ごす時間が

かがやきを 与えてくれると

 

生まれ変わって いつかまた

めぐり逢えたら そのときに

ふれあった日々の記憶を

新しい色で 染めましょう

 

(『夢の歌』より)

(#58/0702)

 

あれは 夢でしょうか

それとも 遠い日の記憶でしょうか

小さな屋根の下 ひとりで ひざを抱えている私

何に怯えているの? 何に傷ついたの?

 

これは 罰でしょうか

それとも 与えられた試練でしょうか

大きな空の下 ひとりで 道を探している私

何処に向かっているの? 何が待っているの?

 

その花を摘まないで ふるえている その花を

お願い それは私なの

 

それは 希望でしょうか

それとも 誰かの嘘でしょうか

かすかな光に向け ひとりで 歩きはじめた私

何も持たないまま 何も変わらないまま

 

その花を摘まないで ふるえている その花を

お願い それは私なの

お願い それは私なの

 

(『花の歌』より)

(#57/0617)

 

あなたが どんなであろうとも

あなたは 愛されているのです

世界があなたを裁いても

あなたは 守られているのです

星の光が とどくでしょう

風の歌が なでるでしょう

 

あなたが どんなであろうとも

あしたは かならず来るのです

その日があなたに迫っても

あなたは 輝いているのです

波の音が きこえるでしょう

鐘の音を 感じるでしょう

 

あなたは 生きているのです

 

(『神記憶』より)

 

(#56/0603)

 

その水の声が聞こえたら

不安に光が射すだろう

不和の剣は収まるだろう

その水の声が聞こえたら

 

(書き下ろし)

(#55/0520)

 

だいじょうぶ 言葉には 見えない力があるらしい

だいじょうぶ 言葉には 救いの力もあるらしい

 

あの日 この胸を痛めた 忘れられない ひとこと

あの日 この胸に誓った 激しい あの思い

 

だいじょうぶ 言葉には いやしの力があるらしい

だいじょうぶ 言葉には ゆるしの力もあるらしい 

 

信じて行こう 生かされた今を

笑って行こう なんにもなくたって

 

信じて行こう 生かされた今を

笑って行こう なんにもなくたって

 

だいじょうぶ 言葉には 見えない力があるらしい

だいじょうぶ 言葉には 救いの力もあるらしい

 

(『DAIJOB』より)

(#54/0506)

 

私の味方は誰でしょう 

隠した涙を知っていて 

心細さを知っていて  

笑顔の訳を知っている 

そんな味方は誰でしょう 

それは私の胸のなか 

秘密の扉の奥にいる 

ワタシという名の私です  

いつでも受け止め認めてくれる 

私の味方はワタシです

 

(『言の葉Bar』より)

(#53/0422)

 

このかなしみは 誰のモノ

去ってしまった 彼のモノ

ひとり残された 我のモノ

 

ハナが咲くのは 何のタメ

ミツで生き抜く 蝶のタメ

アシタ生まれる 命のタメ

 

このかなしみは きっとハナ

アシタにつづく きっとミチ

 

(『神記憶』より)

(#52/0408)

 

コップの水がたまったら

あふれて倒れて空になる

そっとこの手で立て直し

コップの水がたまるまで

気にせず生きていくのです

その繰り返しでいいのです

 

(『ワタシへのメッセージ』より)

(#51/0325)

 

『誰かのために生かされている』

 

ワタシは誰かのために生かされている

どうしようもない

この悲しみを 分かち合うために

ワタシは誰かのために生かされている

抑えようのない

この怒りを 慰め合うために

ワタシは誰かのために生かされている

救いようのない

この寂しさを 語り合うために

ワタシは誰かのために生かされている

拭いようのない

この不安を 支え合うために

だから・・・・

閉じ込もらないで

黙り込まないで

まだ会えぬ 誰かのために 声をあげなくては

ワタシは 生かされているから

 

(『よわねこ詩作家修業日記』より)

(#50/0312)

 

きみは 風の歌を聞いたかい

丘の上で 身を委ねるように

目を閉じて 耳をすませて

つばさのように 腕を広げて

聞こえるかい 聞こえるかい

 

きみは 見えないものを信じるかい

暗闇に差し込む 光のように

色はなく 手にもつかめない

炎のように こころまで暖めるもの

感じるかい 感じるかい

 

(『風の歌』より)

(#49/0226)

 

月こそは

我が光明と

見付けたり

 

(『月抄会』より)

(#48/0212)

 

忘れていないだろうか 

違う世界を生きてきた記憶を 

 

奇跡の出会いをまえに 

かすかな予感のなかに

ふいに覚える残像の先に 

 

遠ざけていないだろうか 

違う世界を生きた日の記憶を  

 

生きるとは かかわること   

 

こころの声に気が付けば 

進むべき道は示される  

 

喜びの旗を掲げ 

風吹く先へ踏み出そう  

 

次の世界に進むため 

この世に生を受けたのだ  

 

からだに宇宙を携えて 

この世に生を受けたのだ

 

(『宇宙詩』 より)

(#47/0128)

 

きれいなものが好きなのは、

汚れを隠してくれるから。

 

つめたい人が好きなのは、

やさしい人とは違うから。

 

大声出して笑うのは、

大声出して泣きたいから。

 

(『サクラごはん』 より)

(#46/0115)

 

其の日を覚悟せよ

さすれば時は宝となる

其の地を見定めよ

さすれば道は花で満つ

我が身命 我がものに非ず

 

(『過去鏡』~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~より)

(#45/0104)

 

『劇変』

 

信じる人に訪れる

奇跡のような日々

労わる人に開かれる

暖炉のような時間

自我を超えて自己へ

 

(書き下ろし)

(#44/1218)

 

誰かの地図をたどっても

見える景色は異なるらしい

胸の鼓動がコンパスで

道なき道がキャンバスだ

背中を追うのはやめにして

私の景色を見に行こう

 

(『ワタシへのメッセージ』より)

(#43/1204)

 

私から「もっと」を奪ってください。

「もっと」が、この身を惑わせて、苦しめて、

底なしの不安の井戸に引きずりこむのです。

羨望、憎悪を、増幅させるのです。

この心から「もっと」が消えたら、

安らぎに満ちた「今」が見えてくるというのに。

罪深き、わが身です。

「もっと」を手放し、「おかげ」に生きたい。

私から「もっと」を奪ってください。 

 

(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

(#42/1120)

 

大きな箱が好きですか 

たくさん詰めたら重いのに 

小さな箱が好きですか 

どこかに忘れてしまうのに 

箱などほんとは無いほうが 

いつでもどこへでも行けるのに

 

(『ワタシへのメッセージ』より)

(#41/1105)

 

悲しいことがあった日は

喜びのタネを一つまき

苦しい思いをした日には

楽しいユメを一つ見る

涙は空に残らず預け

大地を潤す雨となす

何も恐れることはない

空は空 風は風

誰にも変えることなどできぬ

山は山 雲は雲

すべては元に戻るだけ

すべては天に還るだけ

 

(『神記憶』~私を受け止め明日へと導く風と雲と空の道~ より)

(#40/1023)

 

もう会えないと知っていたら

やさしい言葉をかけたいな。

もう会わないと決めていたら

やさしい顔で手を振りたいな。

そんな気になる半月夜。

明日もきっと晴れますように。

 

(『よわねこ詩作家修業日記』より)

(#39/1010)

 

受け取ったモノは何かしら。

手わたせるモノは何かしら。

イノチという名のかかわりが。

今日もワタシを生かしている。

 

(『泳画』より)

(#38/0925)

 

日はまた昇る ほんとだよ

風は変わる  ほんとだよ

地球は動いているんだな

自分も動いていなくちゃな

 

(『ゲンキ浴』より)

(#37/0905)

 

母を看取って解放されて。

夫と離れて自由になって。

子どもを忘れて女になって。

なんだか冷たくなりました。

 

(『サクラごはん』より)

(#36/0809)

 

『あなたへの誓い。明日への祈り。』0809

その日。
この空は燃えていた。
人も緑も風も。
すべてを焼き尽くして。
この地で僕はひざまずく。
理屈を捨てて。
目を閉じて。
セミが声明を唱えている。
猛暑の公園に、一陣の風が吹く。
首筋の汗が冷え、目覚めのかけ水になる。
セミが声明を唱えている。
教えてあげなくては。
たとえ顔を背けられても。
伝えていかなくては。
たとえ言葉を遮られても。
退屈するほど何事も無い、
そんな穏やかな時間は、
あなたのいのちと引き換えに
手にしているということを。
平和をまもるそのために。

 

(『気まぐれ雑記』より/一部編集)

(#35/0725)

 

視点を変えよう

ヒトの眼から鳥の眼へ

そして星の眼へ

 

時空を超えた世界を思い

無常を知れば

今日の不安も薄れゆく

この身などおかまいなしに

何があろうと世界は続く

 

視点を変えよう

とどのつまり 

この身はチューブのバトンなり

 

(書き下ろし)

(#34/0710)

 

ほんとは みんな 泣いている

見えない 涙を  流している

 

身体を震わす不安の波が

抑えのきかぬ怒りを招く

 

ほんのささいなひとことが

堪える背中を突き飛ばす

 

ほんとは みんな 泣いている

見えない 涙を  流している

 

(書き下ろし)

(#33/0628)

 

そこに光がある限り

力はいつも傍にある

そこに道がある限り

心はいつも前を向く

解き放て

近づくために

確かめるために

それだけのために

 

(『神記憶』より)

(#32/0612)

 

私をほめて ねぇ もっと

あなたの言葉で

 

私をほめて ねぇ もっと

アタマの先から

 

明日を信じて 歩けるように

背中を追って 走れるように 

 

(書き下ろし)

(#31/0530)

 

別れるのではないのです。

つぎの世界で待つのです。

倒れたのではないのです。

休むことを許されたのです。

委ねてみれば気づくでしょう。

みちびかれていることに。

みまもられていることに。

 

(『神記憶』より)

(#30/0515)

 

寂しさに会えてよかった

誰かの涙を

受け止められるかもしれないから

 

悲しさに会えてよかった

誰かの痛みに

寄り添えるかもしれないから

 

憎しみに会えてよかった

誰かの怒りを

鎮められるかもしれないから

 

あなたなら聞いてもらえる

そんな役目があることを

私は教えられました

 

(『ワタシへのメッセージ』より)

(#29/0429)

 

『今 ここを生きる』

 

望んだものが 目の前にある

たとえばそれが 咲かぬ花でも

 

認めたことが その身に起こる

たとえばそれは 予期せぬ別れ

 

風はすべてを 流し去り

雲はすべてを 塗り替える

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

 

見えているものが わが身の答え

心が生んだ 世界の姿

 

手放すことで 扉は開く

赦したものが その身を救う

 

空はすべてを 解き放ち

光はすべてを 受け止める

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

(『いきるのうた』より)

(#28/0419)

 

想像してみよう その世界を

願いのすべてがかない

痛みのすべてが消える

いのちは 途方も無い時間を手に入れる

 

不安は消える

脅かすものは 存在しないのだから 

希望も消える

すべては すでに かなっているのだから 

 

あらゆるものが存在し

あらゆるものは意味をなくし

つまりは あらゆるものが「無」となる

 

いのちは 肉体から解き放たれ

ただ一点の光となり

ながい ながい 時間のなかで

明滅の物語を繰り返す 

 

想像してみよう 

次の世界があることを

 

想像してみよう

ただ一点の光となって

230万光年の過去から届く星明かりのように

いのちは 途方も無く続く 旅の途中にあることを

 

(『宇宙詩』より)

(#27/0407)

 

塀の上にねこがいる 

午後の陽を浴び目を閉じて 

気持ちよさげに横たわる 

張られた有刺鉄線が 

毛並みに食い込んでいるけれど 

お構いなしに寄りかかる 

わずかな幅の塀の上 

午後の陽を浴び目を閉じて 

気持ちよさげに横たわる 

 

ああ憧れがここにある 

慕う禅師がここにいる 

 

古びたコンクリ見上げつつ 

私の憂いが飛んでいく 

うららかな青にとけてゆく 

 

塀の上にねこがいる

 

(書き下ろし)

(#26/0322)

 

初めてこの子を抱いたとき、

まるで天使のようでした。

あの日の私は、母でした。

今よりずっと、母でした。

 

(『サクラごはん』~母の章~より)

(#25/0221)

 

スキよスキスキあなたがスキよ

その目その髪その仕草

パパママ仲間に背いても

スキよスキスキあなたがスキよ

この世を敵にまわしても

自分の未来にフタしても

スキよスキスキあなたがスキよ

あなたの声を聞くだけで

風の音さえも歌になる

スキよスキスキあなたがスキよ

あなたがそばにいるだけで

交わす言葉は羽を持つ 

スキよスキスキあなたがスキよ 

そんなあなたがサヨウナラ

そんなわたしにサヨウナラ

 

(『よわねこ詩作家修業日記』より)

(#24/0207)

 

目を奪われるものよりも

心を動かされるものを

何かをなぞるのではなく

何かをつくり出すことを

目にする景色が私を覚ます

語る言葉が私を変える

世界は私を試している

明日が私を待っている

輝く時間を用意して

 

(『世界に一つのあなたへの詩』より)


(#23/0123)

 

あの人とは違う 親とも違う

恩師とも違うし 偉人とも違う

私の答えを信じよう

 

夢とは違う 希望とも違う

流行とは違うし 常識とも違う

私の答えを信じよう

 

誰のものでもない 私のものだから

私の答えを信じよう

 

(書き下ろし)


(#22/0110)

 

白は黒になります。光次第で。

花は葉になります。時間次第で。

 

(書き下ろし)


(#21/1227)

 

「空を見上げて。土を手に。」

 

もしも明日に迷ったら、

顔を上げて空を見よう。

地図などないって、気づくから。

もしも消えてしまいたいと思ったら、

足元の土をその手で握ろう。

還る場所はいつでもあると、思えるから。

 

泣きながら走ろう。

風が乾かしてくれるさ。

声を出して歌おう。

誰かがハミングしてくれるよ。

そして世界は変わりはじめる。

独りの道は二人になって。

やがて前後に連なって。

肩を組んだり、スキップしたり。

調子っぱずれの鼻歌も出る。

 

空はいつでも見ていてくれる。

土はいつでも支えてくれる。

 

空を見上げて。土を手に。

ちっぽけだけど、宇宙の一歩。

小さくちいさく、それでも一歩。

明日も進んで行きまっしょい(^^♪

 

(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)


(#20/1212)

 

沈黙ですよ。

必要なのは。

無理矢理ことばを引きずり出して

縮めたはずの時間を延ばし

相変わらずのパーティー騒ぎじゃ

声など届くはずもない。

沈黙ですよ。

必要なのは。


(書き下ろし)

 

(#19/1128)

 

ここが異国の街ならば」

 

ここが異国の街ならば、今日の苛立ちは軽いかも。

見なれたビルに沈む陽が、優しく切なく映るかも。 

ここが異国の街ならば、明日の不安はちっぽけかも。

思い描いた夢の道、のんきに進んで行けるかも。 

貴方が異国の人ならば、このすれ違いも変わるかも。

黙っていては伝わらぬ、当たり前だと気付くかも。 

そんな夢想に背中を押され。地下鉄ゴトゴト帰り道。

どうやら気分次第です。

セルフコントロールです。 

明日も佳い日になりますように。


(『よわねこ詩作家修業日記』より)

 

(#18/1114)

 

比べているのは誰ですか」

 

桜は梅と競うでしょうか。

雀は鷹に憧れるでしょうか。

ライオンはピューマに嫉妬するでしょうか。

英知は比べるためではなくて。

そんな事実を知るためのもの。

強さは打ち負かすためではなくて。

そんな事実を受け入れるためのもの。

すべては唯一で正しくて。

すべては等しく尊いのだと。

比べているのは誰ですか。


(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#17/1031)

 

茶化されたって口笛吹いて。

つまずいたって笑い飛ばして。

進もう! 進もう! 手を振って。

雲の名前も知らないような、

花の話もできないような、

エライ大人にならないように。

恥かいて。汗かいて。

今日も全身泥だらけ。


(『よわねこ詩作家修業日記』より)

 

(#16/1018)

 

「おとなのこもり歌」

 

歌いましょう

涙は拭わず そのままで

歌いましょう

小さい声でも構わずに

遠いあの日の帰り道

うつむきながら口ずさんだ

あの歌を もう一度

 

歌いましょう

何かを変えるためではなくて

歌いましょう

誰かに伝えるためでもなくて

小さい声でも気にせずに

遠いあの日の夕暮れに

悔しさこらえて口ずさんだ

あの歌を もう一度

 

そのうちきっと

あの日のように

小さな星が 見えてくるから


(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#15/1002)

 

かえりみて

かえりみて 

みちのうえには はなもなく

 

あおぎみて

あおぎみて

そらのさきには つてもなし

 

つつしみて

つつしみて

そのあやまちを くいるなら

 

あすもまて

あすもまて

むかえのしるし はなたれて

 

ありがたき

ありがたき

ついのひかりに つつまれる

 

(『あめつちの』より)

 

(#14/0918)

 

まず許せ 

できたら手放せ

それから捨てよ

それが我が身を解き放つ

 

(書き下ろし)

 

(#13/0905)

 

なぜ急ぐ  空も見上げず

なぜ迷う  風にも気づかず

なぜ嘆く  花すら愛でず

なぜ恐れる 迎えも来ぬのに

万事尽くして 流されて

天に任せて 導かれ

その日に向かって 歩くのみ 

 

(書き下ろし)

 

(#12/0824)

 

お母さん。

その草を見て。

花もない、その草を。

それが私なの。

誰も気づかないけれど。

 

色えんぴつで、ぬりたくなるほど

目立たないけれど。

それが私なの。

 

お父さん。

その草をふまないで。

ひっしで立つ、その草を。

それは私なの。

誰も気にしないけれど。

 

目ざわりで、ぬきたくなるほど

じゃまかもしれないけれど。

それが私なの。

 

(書き下ろし)

 

(#11/0806)

 

「風が伝える彼の歌」

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

あの日の丘で手に触れた

名も無き花の美しさ

 

この先に続く世界には

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先に続く暮らしには

そんな悲しい繰り返し

どうかありませんように

 

風はどうしてこんなにも

やさしく頬をなでるのか

あの日の丘で手を振った

かよわき君の愛おしさ

 

この先に生きる人たちよ

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先をつくる人たちよ

そんな愚かな繰り返し

どうか起こしませんように 

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

 

『いきるのうた』より

 

(#10/0725)

 

どこまで行けるかな。

いつまで生けるかな。

不安と希望は背中合わせで。

喜怒哀楽のやじろべえ。

今日も揺れてる右左。

それでもさ。やっぱりさ。

自分を信じて歩いてさ。

明日は今日の積み重ね。

何処にも無い花、咲かせよう!

 

『よわねこ詩作家修業日記』より

 

(#09/0710)

 

動いてさ。

汗かいて。

それでいいんだ。

ほめてなんか、

もらえなくたって。

 

『サクラごはん』~息子の章~より

 

(#08/0627)

 

ほこれるほどのものはなく。

ほめられるほどのこともない。

なしとげるほどのさいもなく。

なをのこすなどなおとおく。

そんなこんなのみだけれど。

このどんてんをみあげれば。

ながれるくもがおしえてくれる。

むこうぎしにわたるのに。

かざりぶねなどいるものか。 

そのてにろさえあればいい。 

あめかぜしのぐかさひとつ。 

あたまにのせればことはすむ。 

あしたもきっとだいじょうぶ。

おじぞうさんをかいたひに。 

そんなことばをいただきました。

 

『よわねこ詩作家修業日記』より

 

(#07/0613)

 

「夢見るために生まれけむ」

 

花が咲く 花が散る

風にまかせて 葉が揺れる

感じよう ただ 感じよう

すべて わが身に置き換えて

 

あそこで誰かが 手を振って

向こうで誰かが 泣いている

見つめよう ただ 見つめよう

すべて この身に置き換えて 

 

世界のどこかの片隅で

物語は 生まれている

物語は 続いている 

世界でひとつの あなただけの物語 

 

信じよう ただ 信じよう

この世に生きている意味を

この世に生かされている訳を

 

『ふと舞い降りた無色の言の葉』より

 

(#06/0530)

 

「今を泳ぐ」

 

お母さん

じょうぶな体をありがとう

お父さん

へこたれぬ元気をありがとう

 

私は 今を 泳いでいます

私は 今を 生きています

 

『今を泳ぐ。今を生きる。』より

 

(#05/0522)

 

おかげおかげと

唱ふれば

迷へる道の

雲晴れる

 

『月抄会~gessho e~』より

 

(#04/0516)

 

いつでも止められる

どこでも生きられる

恥という名の

靴さえ脱げば

 

『過去鏡』より

 

(#03/0508)

 

あなたが死んだら、楽になる。

そう思うのは罪ですか。

 

『サクラごはん』~息子の章~より

 

(#02/0503)

 

 花を見つけたわ。

ずっと探していた花を。

名前もわからないから。

誰にも聞けなかったの。

でも。見つけたわ。

私だけの花。

私のための花。

もう、迷わない。

だって。花を見つけたんだもの。

 

『言の葉Bar』より

 

(#01/0425)

 

どうして私が。

涙で問うと。

選ばれたのだと。

聞こえた気がした。

 

どうすればいいの。

無言で叫ぶと。

声をあげるのだと。

届いた気がした。

 

誰かに伝えるために。

誰かを救うために。

選ばれたのだと。

 

どうして私が。

天を仰ぐと青空を

雲が泳いでおりました。

 

(書き下ろし)